WordPressの基礎用語

WordPressには独自の用語があります。かんたんに説明していきます。

WordPress.com

サービスとしての「WordPress.com」、プログラムとしての「WordPress」

WordPressには実は2種類あって、

  • 1.アメーバブログやlivedoorブログといったいわゆるブログサービスのように、レンタルサーバーを借りなくてもWordPressを始めることができる「WordPress.com」というサービス
  • 2.プラグインやテーマの追加が自由にできるプログラムとしての「WordPress」

一般的に「WordPress」と言うときは、後者のプログラムとしてのWordPressを言います。サービスとしてのWordPress.orgは、コーポレートサイト制作では、あまり使いません。また、サービスとしてのWordPressには有料のプランがあり、「プラグイン」などを自由に追加するのには¥2,900/月のビジネスプラン以上を契約する必要があります。
「レンタルサーバーを借りて、WordPressをインストールして」と言う場合の「プログラムとしてのWordPress」は、こちらからダウンロードし ます。

プラグイン

WordPressの大きな魅力のひとつに「プラグイン」があります。お問い合わせフォームの「Contact Form 7」などは、聴いたことがある人も多いかもしれません。
プラグインとは簡単にいうと「追加機能(追加プログラム)」のことで、有志が無料で制作しているものや、有料のものもあります。 ただ、便利だからといって、あれもこれもと無闇に入れても、WordPress自体や、ページの表示速度が重くなったりしますので、目的に合わせて必要なもののみをインストールした方が良いです。
また、プラグインもバージョンアップするのできちんと更新する、不要なプラグインは削除するなどの管理が必要です。

有名なプラグイン

いくつか有名なプラグインをご紹介します。

Contact Form 7

いわゆる「お問い合わせフォーム」を作るためのプラグインです。確認画面がないのが特徴です。

Advanced Custom Fields

カスタムフィールドを管理画面上から追加できるプラグインです。ただし、管理画面から追加下だけでは、入力画面ができるだけでページ上には出力はされませんので、プログラムが必要です。
有料版のAdvanced Custom Fields Proだと、「オプションページ」といって、後述のカスタム投稿タイプを使わなくても、ヘッダーの電話番号や営業時間、バナーなど、各ページの共通部分を一元管理できるページを設置できるなど、使い勝手がよくなります、個人的にはWordPress開発者必須プラグインだと思っています。

WP Multibyte Patch

たまにこれがないサイトを見かけますが、日本語サイトの場合、必須プラグインです。これがないと、文字化けを起こす場合があります。

All in One SEO

有名なSEO用プラグインです。Yoast SEOというプラグインもあります。

テーマ

ユーザーが見る「表側のホームページ」、いわゆるデザインの部分です。プラグインがなくてもWordPressは動きますが、「テーマ」がないと、WordPressは動きません。
プラグイン同様、無料・有料のテーマが数え切れないほどあるのが、WordPressの魅力の一つです。が、一度作ったサイトのテーマを変更すると、意図した表示にならなかったりする場合があるので、途中での変更は無闇にしない方が良いです。特に後述のカスタムフィールドを使っている場合は、入力した情報が出なくなる場合があります。

テンプレート

テーマは「テンプレート」と呼ばれるPHPのプログラムの集合で出来ています。
header.php、single.php、page.php、footer.php、index.phpなどといったファイルを、「テーマのテンプレート」と呼びます。

投稿ページ

WordPressは元々ブログシステムです。新着情報など、日々更新・追加していく記事は、「投稿ページ」から入力していきます。カテゴリ分け、タグ付けなどができ、月単位でのアーカイブ機能もあります。

固定ページ

投稿ページと違って、「会社概要」や「お問い合わせ」など、更新頻度が低いページを「固定ページ」で作ります。見た目はほぼ投稿ページと同じです。投稿ページと違うのは、ページの親子関係を作れます。
会社概要(親)
├役員紹介(子)
└会社沿革(子)
のような形です。

HTML/CSS/jQuery

いわゆるホームページを作るための言語です。投稿ページ・固定ページから更新する分には、あまり気にしなくてよいです。それがWordPressの魅力でもあります。

クラシックエディタ

WordPress4までのエディタ(文字や画像を入力する欄)です。ビジュアル・コードというタブがあります。マイクロソフトのWordのような感覚で更新が出来ます。WordPress5以降でも、プラグインとしてクラシックエディタをインストールすることで利用できますが、2022年末にサポートが切れる予定です。このクラシックエディタの中に、htmlを直接記述して、レイアウトを作る手法でWordPresを構築する制作会社も多いですが、更新が

グーテンベルク(ブロックエディタ)

WordPressバージョン5から、グーテンベルクというまったく新しいエディタになりました。 メニューバーなどがないので、慣れないとけっこう抵抗があるのですが、レイアウトを組みやすく、また将来性も考えて弊事務所ではグーテンベルクの利用をお勧めしています。

カテゴリ

「投稿」の内で記事を分類できます。たとえば本なら、
小説(親カテゴリ)
├ミステリ(子カテゴリ)
├SF(子カテゴリ)
└冒険小説(子カテゴリ)
のような形です。
基本的に一カテゴリのみ選択する方が無難です。

タグ

TwitterやInstagramの「ハッシュタグ」と同じです。カテゴリと違って複数設定できます。
上記の小説の例で言えば、#作家名 #陸の孤島もの など、その記事の特徴的なキーワードを設定すると良いです。

ユーザー

WordPressは複数人で投稿・管理ができます。
オウンドメディアなどでWordPressを利用する場合、自社の管理者ユーザーと、外部のライター用ユーザーとでユーザーをわけて運用することができます。
セキュリティ的には、自社内であってても、ユーザー・パスワードの共有はせずに、1人1ユーザーでの運用が適切です。

PHP、MySQL(MariaDB)

PHPというのは、WordPressを動かすプログラム言語のことです。PHPを使って、MySQLというデータベースに投稿記事やユーザーの設定を保存・削除します。
PHPやMySQLにもバージョンがあり、WordPress 5.7.2 では PHP バージョン7.4以上、MySQL バージョン5.6、または MariaDB バージョン10.1以上が推奨されています。このあたりは、「そういうものがある、WordPressを安全に使うには、PHPとMySQLも新しい方がよい。PHPとMySQLが古いと、新しいWordPressが使えない」と、頭の片隅に置いておく程度で結構です。

Web制作会社のディレクターがおさえておきたいWordPress用語

以上は運営管理するWeb担当者の方が抑えておくと、Web制作会社と話がスムーズに進む用語ですが、以下は制作会社のディレクターが、WordPress構築を外注する場合に、把握しておくとよい用語です。

カスタム投稿タイプ

投稿、固定ページと別に、専用の投稿画面を追加できます。
たとえばWeb制作会社で、「投稿」で「新着情報」を掲載、それとは別に「制作実績」を作りたい場合は、カスタム投稿タイプで用意することが多いです。後述のカスタムフィールドと合わせて構築することで、そのカスタム投稿タイプ専用の入力画面が作れるため、クライアントが更新しやすくなります。
投稿画面のカテゴリによって、入力画面(表示されるカスタムフィールド)を切り替える手法もありますが、カスタム投稿タイプを使った方がテンプレートの管理が楽なので、個人的にはあまりお勧めしていません。

カスタムタクソノミー

タクソノミーとは「分類」という意味です。カスタム投稿タイプを作っただけでは、「投稿」でいう「カテゴリ」が存在しません。「カスタムタクソノミー」という形で、独自の分類=カテゴリを作ってあげる必要があります。
カスタム投稿タイプ専用というわけではなく、既存の投稿にカスタムタクソノミーを追加もできます。 上記の小説カテゴリの例でいえば、 さらに「作家」というカスタムタクソノミーを作って、作家別に投稿=作品を結びつけることができます。 カスタム、カスタムとちょっとややこしい所です。

ターム

カスタムタクソノミーによって作られた各カテゴリの事を、「ターム」といいます。 上記の小説・作家の例でいえば、 あ行(親ターム) ├赤川次郎(子ターム) └浦賀和宏(子ターム) か行(親ターム) ├北村薫(子ターム) └京極夏彦(子ターム) のようなものです。

カスタムフィールド

投稿・固定ページ・カスタム投稿タイプには、通常、記事名と、本文の入力欄があります。それらとは別に、専用の入力欄を「カスタムフィールド」を使って作ることができます。 小説であれば、 – 出版社名 – 出版年月 – 定価 – ISBN – 装幀 など、フォーマットとして入れておきたい情報があります。それら専用の入力欄を個別に作ることで、入力ミスが減ります。 ちなみにこの辺りが増えてくると、御見積的には高くなってきます(笑)。

funsctions.php

WordPress上で独自の関数を設定したり、プラグインとは別に直接このファイルにコードを書く事で、追加機能を実装するためのテンプレートファイルです。

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